渡辺裕先生の講義にお邪魔しました!!

梅雨入りして早1週間ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今までは学部の情報を主にお届けしましたが、今回は修士生の様子をお伝えしたいと思います♪

4月から新しく教授としてお迎えした渡辺裕先生がどのような研究をされているか、気になっている方も多いのではないでしょうか。と言うことで、本日は渡辺先生の講義にお邪魔してきました!

ぎゅうぎゅうになりながら‥

突然ですが、皆さんは外国語の曲を覚えるのに苦労をした経験はありますか。どうやって発音を覚えようか、工夫を凝らした人もいるのではないでしょうか。

外国語を日本語として聞いたり、日本語に置き換えたりして習得する方法を「聞きなし」と言うそうです。例えば、What time is it now?を「掘った芋いじるな」とか、Excuse me. を「挽き臼め」と覚えたりしていたという話しを、私も聞いたことがあります。元は外国人客を乗せる様になった車夫が、今でいう「耳コピ」で外国語を覚える為にやり始めた方法で、「車夫英語」と呼ばれているそうです。

一方、文字資料を介して習得することを、「書生英語」と言ったそうです。アルファベットにカタカナをふって、発音、意味を覚え、文章を読み、理解する、と言うやり方です。発音はおそらく元々の言語らしくないものだったとしても、意味はきちんと理解できている。書生英語式で外国語を学んだ人は、車夫のように実際に直接外国人と接するよりも、本を読んだり、書類や手紙をやり取りしたりする方が多かったのでしょう。その後識字率が上がるにつれ、「書生英語」式の西洋文化受容、理解が主流となって行きました。

ひどいゴロ合わせにみんなで笑いました

ですが、渡辺先生は、外国の文化を学ぶ・理解するという点において、「(書生英語的に)文字を介さず、(車夫英語的に)体感的に習得する」そういう異文化理解のやり方も良いところがあるのではないか、とおっしゃっていました。

音楽で言うと、楽譜を分析して、その特徴を見つけ出し、演奏に反映させる方法はもちろんですが、書生英語的に楽譜からスタートするのではない、車夫英語的な音楽との接し方も「アリ」と先生は仰っていました。「文化の大半と言うのは人がやってきたものを継承し、それを踏まえてやること」つまり「ものまね」です。「ものまね」は新しい文化の芽だったはずです。それが、日本の西洋近代化に伴って、今では、オリジナルの価値を強調し過ぎる傾向にあり、模倣することの価値が失われつつあるそうです。

先生がお持ちの膨大な資料は見るのが楽しいです

渡辺先生はこの日、外国語の音楽との接し方について、いろいろなやり方があることを示唆して下さいました。今後も、音楽を人や社会との関わりの中で考える、『音楽を文化として捉える』様々な視点について、考えて行きたいとおっしゃっていました。

残り5回は学生による発表になります。渡辺先生の書籍などを参考に「音楽」を多角的に見ていきます。どんなディスカッションができるのか、楽しみです!

執筆者:事務助手 福本カナコ

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