【授業紹介 第八弾!】音楽教育研究演習ⅠB by下道先生

この講義は、いわゆる「ゼミ」形式をとっていて、論文の執筆と発表に係る一連の流れを実践的に学ぶものです。

TAの修士生もお手伝いします
講師が提示したテーマに沿って、自分なりの主題の選び方(絞り方)、同じ主題に関連した先行研究の検索の仕方を学び、先行研究で論拠としている資料の種類や、収集方法の分析を進めます。そしてそれらを通してまとめた自分の考えを、パワーポイントを使って発表しクラスで議論を深め、次年度の論文執筆につなげていきます。

秋期は、「集団と音楽」というテーマに取り組んでいいました。

配布されたレジュメ
この日は中国からの留学生が中国で行われている「軍訓」、いわゆる軍事訓練で音楽がどのような役割を担っているか、また、人に影響を及ぼしているかを発表してくれました。

今日まで行われている「軍訓」は、1949年から行われているもので、高校生や大学生の新学期が始まる前の数週間を使って行われる訓練のようです。今現在、2,000省以上が導入しており、1,700万人以上が訓練を受けているそうです。

歌を軍訓で使用する理由は4つあると彼女は言っていました。

「愛着心」と「愛国心」の違いについて‥
1. 芸術は社会知識の1つ
 軍歌だけでなく民族歌曲なども歌うことで、55種族も抱える多民族国家である中国の相互理解を深める役割も期待されている。

2. 愛国心を育む

3. 時代の要請を反映(時代を学ぶ)
 軍歌を通してその時代や歴史を学ぶことで、一人前の国民になれると考えられているようです。

4. 若者の成長や動機を育む
 愛国主義の歌を歌うことで、国に忠義を尽くす精神を養う。この考え方は国民の6-7割の人々の支持を得ているようです。術を学び、国に尽くすことを学ぶ。それだけ聞くと、社会主義・共産主義は危険なのではないか、自由がないのではないか‥と周りの国からは思われがちです。ただ、現在の軍訓は当初のように厳格なもので悪いイメージは国内にはないそうです。軍訓に参加することで自分と同じ趣味・趣向の仲間を見つけることが出来る「交流/コミュニケーションの場」として前向きに参加する学生が多いようです。

ディスカッション中
発表後のディスカッションでは、自国に「愛着を持つ」ことと「愛国心を持つ」ことの違いに、学生の関心が集まっていました。

今後は、

・劇団四季がミュージカルを通して行う啓蒙
・普段何気なく聞いている生活音/環境音
・ロシア音楽の社会主義レアリズムについて
・ロックが与える影響

など、異なる視点からの発表が続きます。どれも面白そうですね!

シラバスをご覧になりたい方は、
下記URLから「音楽教育研究演習ⅠB」と検索してください♪
https://juliet.tokyo-ondai.ac.jp/syllabus/1718438756140191755/2018/public/search

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下道郁子先生プロフィール

執筆者:事務助手 福本カナコ

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