第1回 社会人特別講義 飯島広介先生(NPO法人 パフォーマンスバンク)

5月19日(水)にNPO法人パフォーマンスバンクの飯島先生にお越し頂き、「~「好き!」を起点に楽しく働くための3つのコツ~」というテーマで、本年度最初の社会人特別講義を開講しました。

飯島先生はNPO法人理事として、「生演奏の楽しさをすべての人に」という理念のもと、多くの音楽家と共に老人ホーム・幼稚園・介護施設などにコンサートを年間200件以上届ける活動をしていらっしゃいます。その他にも、NPOを支えている音楽家個人のキャリア支援も行っています。今回は、訪問演奏事業ではなく、キャリア支援事業のお話しを中心に伺いました!

まずは、みんなの「気がかり」を調査!

もともと飯島先生は音楽が大好きで、「公共のコンサートホールを使った仕事をしたい」と言う思いで埼玉県庁に勤めておられました。ところが、任される仕事は事業仕訳という、無駄な予算を極力削る仕事(音楽はまさに削られる対象)で自分の思いとは真逆の業務を続ける内に、「本当にこの仕事を続けていいのか」という問いにぶつかってしまったそうです。

そのような時に、高校の吹奏楽部同級生である鈴木さん(現NPO法人代表理事)と再会します。彼自身も大手企業に勤めていたそうですが、話し合ううちに、「生きがいがほしい。人生をかけて成し遂げるものがほしい。」という共通の認識を持っている事に気付いたそうです。そこで、お互いに好きで学生時代にも積極的に行っていた『訪問演奏』をとにかくやることにしました。活動は順調で、ビジネススクールの知人も巻き込み、立派な事業計画も出来上がったのですが、なぜかうまく組織が機能せず、原因を話し合ううちにケンカになって、飯島先生は組織から離れてしまいました。その後飯島先生は、鈴木さんと「相互理解」ができておらず、組織としての軸の考えがなかった事が組織を動かなくした原因という事に気付き、もう一度鈴木さんと話し合い、組織としての軸「理念」をつくり、NPO法人を立て直しました。

学生とも積極的に関わりに行ってくださいました!

こうした経験から、飯島先生は「『好き×計画×相互理解』の3つのキーワードが、組織にはとても大切なのだ」と力説していました。また「自らのキャリア・進路を考えるにあたって、この中でも最も大切なのは、『好き』と言うキーワードです」とも仰っていました。

飯島先生の「好き(生の演奏を届けること)」を熱く語ってくださいました‥!

「人の好き嫌いと言うのは、価値観から来ています。自分を満たすものは『好き』、満たさないものは『嫌い』と考えて自身の好きと嫌いの境界線『価値観』を探して見て下さい」と学生に促しました。その後、隣同士で深く1つ2つの事柄について深く聞き合うことで、自らの価値観を見つけるという作業をしました!

ペアワークを通して今まで知らなかった友人の一面が‥

もう一つ、「怒りは価値観の現れ」だそうです。怒っているのは、相手が言った言葉にではなく、自分が大切にしていること、つまり「価値観」を否定されたり傷つけられたりするからです、と飯島先生は仰いました。相手を怒らせてしまった時は、「なんで?」と言う言葉は、いったん封印し、「〇〇を大切にしているからだよね?」と相手の価値観を知る機会を作ると、相互理解がスムーズに進み、人間関係もうまく行くようになると最後に教えてくださいました。

飛び出せ、音大生!
自らの価値観を見出せると、自分がやろうとしていることが万が一ダメだった場合でも、他の方法を見つけることができるのだそうです。だから、自らの「好き(自分を満たしてくれるもの)」を見つけるために、ぜひ音楽大学の外に出て、広く情報収集をしてみてくださいと、最後に飯島先生は仰いました。

積極的に人との関わりを持ち、この4年間を通して、自分なりの譲れない価値観を見つけてほしいです♪

ご興味のある方は、ぜひ下記ホームページもご覧ください!

☆パフォーマンスバンク 音大生支援 HP
https://m-compass.p-bank.org/

☆パフォーマンスバンク 訪問演奏 HP
https://p-bank.org/

執筆者:事務助手 福本カナコ

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